bケーススタディ現物出資の会計処理について、簿価引継法のケースと売買処理法のケースをそれぞれみていくことにする。 なお、合併の項でも述べたのと同様に、現物出資についても税務上は企業理の適用に"ねじれ''が生じるケースがあるので、注意が必要である。
(2)現物出資にかかわる税務:現物出資にかかる取扱いは、税務上企業組織再編税制のなかで整理されることになる。 すなわち、企業グループ内の現物出資および共同事業を行うための現物出資については、それぞれに規定された要件を充足した場合には適格現物出資として現物出資法人から被現物出資法人へ簿価による資産の移転が行われる。
適格要件については、351頁ー354頁を参照されたい。 なお、平成13年度税制改正前は新設会社を設立する場合にのみ圧縮記帳という方法により簿価での資産の移転が認められていたが、改正後は既存会社に対する現物出資も一定の要件を充足することにより簿価での資産の移転が行われることとなった。
(1)減資にかかわる会計:a有償減資と無償減資減資については、金銭払戻しの有無により、有償減資と無償減資に大別することができる。 有償減資とは、減資に際して株主に対して金銭の払戻しが行われるものをいい、実質的減資ともいわれている。
無償減資とは、減資に際して株主に金銭の払戻しがなされないものをいい、形式的減資ともいわれている。 実務上は、無償減資により「資本金減少差益」を計上し、これを原資として欠損金を墳補するケースがほとんどであり、有償減資はあまり行われななお、企業会計基準委員会より平成14年2月21日付けで、「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」(企業会計基準第1号)が公表されており、自己株式の取得、処分および消却の会計処理を定めるとともに、資本金および法定準備金の取崩しの会計処理ならびにそれらの取引等により生じた剰余金の処分の会計処理を定めている。
bケーススタディ減資の会計処理について、有償減資のケースと無償減資のケースをそれぞれみていくことにする。 (2)減資にかかわる税務:減資を行った場合の税務の取扱いは、減資が有償か無償かあるいは株式の消却を伴うか伴わないかにより異なり、次のように分類される。

なお、株式の消却を伴う減資は株式消却の規定が適用される。 a株式の消却を伴わない有償減資(a)有償減資法人における取扱い:法人が株主に金銭等の交付を伴う減資を行った場合には、法人の純資産価額のうち交付金銭等の額の割合に対応する資本等の金額および利益積立金額を比例的に減少させる。
(b)株主における取扱い:@みなし配当・・・株主が減資により交付を受けた金銭の額等の合計額が減資に対応する資本等の金額を超えるときは、超える部分の金額は利益の配当等とみなす。 A株式の譲渡損益・・・株主が減資により金銭等の交付を受けた場合には、株式の譲渡損益を計算することになる。
株主における株式の譲渡損益の額は譲渡対価の額から譲渡原価の額を控除した金額である。 b株式の消却を伴わない無償減資法人が株主に対して金銭等の交付を伴わない減資を行った場合には、減少した資本の金額に相当する金額の資本積立金額が増加する。
これは、株主が拠出した部分の金額を法人が稼得した部分の金額と峻別し、両者を混同しないという考え方に基づいているものと理解されている。 C株式の消却を伴う減資(a)株式消却法人における取扱い:法人が株式の消却を伴う減資を行った場合には、法人の資本等の金額および利益積立金額のうち発行済株式総数に占める消却株式数の割合に応じた金額を原資として行われたと考える。
したがって、発行済株式総数のうちに消却する株式数の占める割合に応じて、それぞれ資本等の金額と利益積立金額が減少することになる。 (b)株主における取扱い:@みなし配当・・・株主が株式の消却により交付を受けた金銭の額等の合計額が消却に対応する資本等の金額を超えるときほ、超える部分の金額は利益の配当等とみなす。
A株式の譲渡損益・・・・株主が株式の消却により金銭等の交付を受けた場合には、株式の譲渡損益を計算することになる。 株主における株式の譲渡損益の額は、譲渡対価の額から譲渡原価の額を控除した金額である。
なお、株式消却を伴う無償減資が行われた場合に、株主において株式譲渡損益の計上が行われるかは議論のあるところである。 会社分割(1)会社分割にかかわる会計。
a簿価引継法と売買処理法。 研究報告7号によれば、分割に関する会計処理として簿価引継法と売買処理法がある。
簿価引継法とは、会社分割において、それぞれの結合当事会社の支配が継続しているため、各会社が保有する資産および負債を帳簿価額で結合する方法である。 売買処理法とは、会社分割により移転する資産および負債が売買されたものとして会計処理を行う方法であり、会社分割が「取得」と判定される場合に適用される。

簿価引継法と売買処理法のうちいずれの会計処理を採用するかほ、会社の任意ではなく、図表4ー7のフローチャートに従って決定される。 ただし、このフローチャートは、承継会社が分割に際して発行する株式を、分割会社の株主の保有割合に応じて割り当てる「按分型」分割を前提としており、それとは異なる割合で割り当てる「非按分型」分割の場合には、すべてのケースで売買処理法を採用することになるので注意が必要である。
以上の論点をまとめて、企業結合の類型と会計処理を表形式でまとめると、図表4ー8のようになる。 bケーススタディここでは会社分割の会計処理について、簿価引継法が適用されるケースと、売買処理法が適用されるケースをそれぞれみていくことにする。
なお、合併の項でも述べたのと同様に、会社分割についても税務上は企業理の適用に"ねじれ"が生じるケースがあるので、注意が必要である(370頁参照)。 (2)分割にかかわる税務:再生企業が行う事業のうち、Good事業を分割により移転することがあるが、税務上留意すべき主要な点は、次のとおりである。
@分割法人における債務免除益の計上A支配株主がいない分割法人のGood事業を分割型分割により新設法人に移転する場合B分割法人のGood事業を企業グループ内の分割をする場合の支配の継続の見込みC分割法人のGood事業を吸収型分割により移転する場合の共同事業要件D合併類似適格分割型分割a分割法人における債務免除益の計上再生企業が行う事業にGood事業とBad事業があり、Good事業は分割により新設法人等に移転し、Bad事業は債務の軽減を図り、徐々に事業を縮小することがある。 このような場合、事業の分割にあたり再生企業が抱える債務の多くは分割法人に残るため債権者に債務免除を要請することになる。
債務免除額は債務免除を受けた日の属する事業年度において益金の額に算入されるが、(2)合併にかかわる税務において記述したように、分割においても同様な税務上の問題が生ずることがあることから留意が必要である0b支配株主がいない再生企業(分割法人)のGood事業を分割型分割により新設法人に移転する場合、公開会社である再生企業が行う事業のうち、Good事業を分割型分割により新設法人に移転する場合には、適格分割に該当しないことが多い。 これは、再生企業に株式の50%を超えて所有する支配株主が存在しないことから企業グループ内の分割に該当しないためである。
また、新設法人に対する事業の移転であることから共同事業を行うための分割にも該当しないことになり、税務上の非適格分割とされる。

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